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第20回長岡インディーズ 事前審査評 永井審査員

1. インスタ・クイーン
 タイトルロゴなどビジュアルイメージに統一感や工夫があって、表現したいものに対してブレてないです。部屋やお店なども吟味されているのがよくわかる。でも女の子はケバくしていれば見た目にわからないけど、男子は高校生くらいの人がいなかったんですかね。みんなおっさんだ…。あと、奈津子のキャラクターがいまいち作り込めていません。誰もつかめてない感じ。もっとドロドロになってもおかしくないテーマだけど、明るく楽しく仕上がってます。カメラマンさんが胡散臭くていいですね。

2. カップケーキ
 しかし女の子はともかく男子高校生くらいのエキストラってどこでも足りないものなのね。ここでも割とおっさんぽい…。女の子はかわいいですね。荒井くん、鼻水ダラダラでいい芝居してます。最後が禅問答みたいになってるのはちょっと安易かとも思うけど、現代のキーワードをうまく散りばめて一つの世界を作り上げています。タイトル、「カップケーキ」とかでなく「ただいま」とかにした方が良さげだけど、それだと同名異作が多すぎるか。

3. 彼女が病気になったわけ
 始まり方が2時間ドラマみたい。音が小さくてちょっと見づらかった。紙芝居っぽくていまいち伝わりませんでした。

4. シンデレラのさえずりを聞け
 結婚や家族をテーマに据えると、その作り手の古さを露呈しやすくなるので、取扱いやすいようで実は難しいテーマだと思います(この一連の八王子ものはテーマ先にありきだから話が別ではありますが)。もっと、現実の生活と日本社会の前提のズレを見つめるようなものは出ないかなあ…。もういいじゃん結婚しなくったって…。「『自分のまわりにいい男がいない』結婚できない女が一番言うセリフだよね」キャバ嬢のおねーさんいちいち正しい。新小岩に謝ろう…。若くてきれいで華奢な女性ばかりがドレスを着る展開じゃないのは素敵です。


5. 僧の怒りに鬼の笑顔
 100体斬ったら全滅するなんて、鬼、少ないじゃん。むしろ保護せにゃー。テンポ悪っ!!役者うすっ!!頭で書いとるわー。音声にムラありすぎ。アクション作なら眠くならすな。特に田中!下手くそ!!私が踵落としでやっつけてやりたいわ!!なんじゃこら!!

6. Girls Night Out
 場面転換のたびにブラックアウトするのやめてくんねーかな。何があったかと思うじゃん。「夢は叶う」という考え方正直嫌いです。その夢って、特にこれというものがないのに人にちやほやされたいだけのものですか。「すれ違いのダイアリーズ」と似た展開ですが、さわやかさに欠ける。

7. AYESHA
 アニメは珍しいので注目してしまいますね。素敵だし。見せますね。「もしかしたらそうかも」と思わせます。

8. 蝉
 …孫のホームビデオっすか?完全にそっすよね…。じ…じーちゃん…。んー、主語がどこにあるのかよくわかんない。

9. 一杯のモヒンガー
 一杯のかけそば的な。ミャンマーの皆さんよくこのノリに付き合ってくださった。でもこういうの好きです。ミャンマーの食についてここまでじっくり作り方まで見る機会はないので、身近に感じられて楽しめました。

10.えんむすび
 巫女さんが母の夢である必要あったかな。結婚適齢期という考え方自体今は無理があるので、人のえんむすびや式を助けてばかりでそろそろ…という気になってきた、くらいの感じでもよかったのでは。でもキャストも爽やか、ハッピーエンドでないところもいいですね。


11.あの日の伝言
 …やっぱプロのイケメンは違うんだな…。そこに集約されちゃ心外でしょうけど。よく出来てて見やすいし、さすがまとまってます。テーマ自体新しくないし先は読めるのに、見せ方を心得ている感じです。

12.Indigo Children
 テーマが重い割にその扱い方が類型的。頭で考えてるというか。「こうきたら、こう」という方程式を出ません。取扱いが難しいテーマをどうにかできるほど腕がないというか、高級食材をうまく調理できなかった人みたい。

13.Arcadia
何というかテーマがいちいち社会問題だが、やっぱり扱いきれてない。もっと身近で扱いやすいものから丁寧に作って行った方がより持ち味を生かせるのではないか。たらこで満足におにぎりを作れない人が急にキャビアでオードブルを作れないし、牛コマでささっと牛丼を作れないのにシャトーブリアンを家庭のコンロで焼いたりしない方がいい。

14.君が夢見る地平
 テーマを先に設定してから作ってるのかなこの人は。出だしが違うのかも。あと、どもりと言うほどどもってないし、普通の人でも慌ててしゃべるとこんな感じでしょう。いちいちテーマが重い割になあ…。

15.Sparcle
 滅びそうな割に世界は相変わらず美しいです。古いやり方にとらわれている人と、素直に今を受けとめている世代との出会いは概してこんなものかも知れません。昔の人はなすすべがない。

16.予定は未定
 去年見た顔がチラホラ。と思ったら同じ人でした。おなじみの役者さん。街の使い方は相変わらずうまいです。ヒロインが魅力的だから見せますね。しかし、そんなに結婚てしたいか?

17.公衆電話
 それにしても相変わらず結婚がテーマの作品が多いなあ。女性の最大の関心事とされるから、独身女性全員が興味を持ってくれるとしたなら、すごく見られるという前提になるけど、他にないのかなあ…。音ちっさ!手慣れた感じできれいで見やすいですが、終始「えー、もー、えー、もー、わー」しか言わないヒロインが魅力的に撮れてない。電話が公衆電話である理由があんまりないかも。

18.Girls Talk
 音ちっさ!しかし英会話教室の練習か何かですか?みなさん英語達者でらっしゃる。「女の子の会話ってこうだよね」のイメージな感じ。ほんとにこんな会話している女の子って実際にはいるのかしら。こういうの、偏見、て言うんじゃないの?半分いかないうちに退屈します。

19.眠れない夜に
 5分にしちゃ長く感じるなあ。出だしはいい絵面でした。

20.蝉の声無く
 もう少しテンポよくぎゅっとさせたらもっとよかったかなあ。日本人は蝉というものにすごく思い入れがいあるのだな、と思いました。

21.ほろにがくあまく
 お店の経営がうまくいかないのと父親との関係は分けて考えた方がいいし、すべてのこういう映画に言える事ですが「許せない方の子どもが悪いから許すと人生うまくいく」という結論ありきなのは安易過ぎます。そこしか落としどころがないにしても、切り口を考えて欲しかった。そもそもそこまで反発しているならはじめからちゃっかり継いだりせずにすぐ売ってんじゃないのかなあ…。仕事が忙しくてかまってもらえない程度の事なら、そこまで親を恨みはしないだろうし。子供が反発する原因をこの程度の事だと思っている人が多いから、本気で逃げなきゃならない人が困るんです。この程度と一緒にされるから。

22.犯人はセーラー服
 去年とノリが似てますね…。あと、悪い意味で変わってない。だからこういうの、映画じゃないって。
23.未来の欠片、昨日の永遠
 自分のメモが読めなくてタイトル一部失念。雰囲気は悪くないけど、ゆったりしすぎて見づらいなあ…。一定の世界観はあります。

24.ぼくのゆうき
 パートナーが異性ではないという事だけでは、今はそれがテーマにはならない時代になりました。それだけに、それを失う事がテーマなら、更にそこにもう一工夫ないと、面白くはなりません。この役者さんは去年の「高いの高いの飛んでけ」よりは自然にやれてる気がしますが、最後のオチがよくないです。茶化すみたいなのは今よくない。

25.老ナルキソス
 テーマが刺激的な割に、その衝撃に頼り過ぎないだけの思考を重ねています。イメージや好奇心だけで性的倒錯を扱っていない気概があります。そして意外に爽やかな終わり方。

26.声
 映画ってほんとはこういうものかも知れないですね。

27.Repeat After Me
 何だろう、今年は「英語出来ます」アピールが流行り?勉強にはなる…。このくらいの年の女の子がお母さんの外出について来るかなあ…。後半の展開がなんじゃらほい。

28.みーちゃん
 さっきのと同じ人のだけど全然表現が違うものですね。おもしろいけど、映画的ではないかな…。

29.ひと目だけでも
 女優さん達がうまいです。その力で見せますねー。

30.祭りのあと
 毎日お弁当買いに出るだけでも、十分介護予防の視点に適ってはいるんだけどね。自分で食べる物決めてるし、外出してる。手作りが一番て思い込みはどうなんだっていうのは置いといて。風景とか祭りの情景とか、風情があってきれいに撮れてます。隙がない。

31・あちさん
 「あちさん」という新潟弁独特の概念を映像化するというアイデアは秀逸です。もうちょっとスピード感は欲しい。

32.カップル撲滅計画
 カップル見たくないんだったらお前の方が死ねばいいのにって話ですね。しかし何か英語取りいれるの流行ってるの?テンポも発想もいいですが、ところどころ見づらい場面があったり音のバランスが悪いです。

33.七曲ブルース
 和歌山の商店街に落語シリーズ再び。去年より整理された感じになってきて完成度が上がった気はする。

34.ギタアと潮騒とカセットテープ
 今29歳なのにカセットとは。「逃げ出したかったら聞け」と言われましても、かけられる機材がないのでは…。本人達の間にわだかまりがないのであればいいけど、元カノの結婚式に顔出せって親が言うかなあという気も。

35.オーロラ・グローリー
 おしゃれです。いろんな色の見え方とか、ちゃんとすみずみまで計算し尽くされてるのがよくわかります。ただ、きれいに作られ過ぎて、額縁の中に絵がきちんとおさまってて、こっちがその中に入れない感じ。

36.よしみのよしみ
 「よしみのよしみ」の一言で押し切ろうという強引さが何とも。ぎこちない皆さんの芝居を、ある意味逆手に取った形ですね。発想としては面白いです。作り込んだ部分とアドリブ的な部分のバランスがちょっと変。何かめんどくさい。あと、歌いらねー。

37.漂流ポスト
 大きいスクリーン映えしそうです。今時のスマホサイズでない映像が印象的。

38.東京、吐息、自死
 こっちは今風だ…。もうちょっと、音、何とか聞きやすくならんかな。見づれえな。YouTubeっぽくね?東京タワーは朽ち果てたりしてないと思うけど…。六本木のリッツカールトンでは、スカイツリーと東京タワーが左右に同時に見えるのが売りの席と客室があるくらいだし。いいからさっさと飛び降りれば?と言いたくなるわー。正直、これ30分やられんのはキツいと思った。自撮りって、見せられる側には何も伝わらないっていうのが最大の特徴かも。まわりの様子がわからないから、助けてって言われても助けようがないの。つまり、死にたくなったら自分の事ばっか見るなって事だな。

39.RICE BALL
 ごめんなさい、おにぎりの味が変、て言われて、お父さんが心中したくて毒を盛ったのに気づくけどそれを承知して食べる息子、かと思ってました。変な映画の見過ぎです。どうもすみませんでした。

40.サマーレコード
 子供に演じさせてリアルを追求した割に、激しい作為を感じます。思春期を特別だと思ってるのって大人だけですよ。当事者にはそんな事、夢にも思ってない。黒岩くんと光石くんは絵になってます。

41.つれない男
 コミカルで爽やか。おじさんステキです。

42.幸福の目
 共感と憧れを排除して映画にするというのは悪くないアイデアだと思います。不安とか不穏ていうより、遠いなあ。悪人ばかりで嫌な事しか起こらない映画はたくさんあって、案外、嫌じゃないものですが、これは空気の不穏さより、「間の悪さ」と「タメの長さ」にイライラします。不穏さは夜に頼らなくても表現出来たのでは。夜の撮影は技術が必要なので、それでなくても伝わりにくいのだから、多様しなかった方がよかったかも。あらゆる意味でバラバラです。

43.川下の渦
 公演で出会う二人がはじめのシーンに出ていた二人と同じである事がそもそもわかりにくいです。一つ一つのシーンに計算が足りない。…は?シェイクスピア?…そう来られると、パロディにしか見えないような、マンガ以下の出会い。何だこの二人の会話は…。どこまで本気なのか。あと、何のカメラで撮っているのか編集の問題なのか、データのスピードが足りない感じです。

44.なみぎわ
 室内から歩いて出て、自転車で街を移動する一連の流れが自然に追えててうまいです。街も人も、ちゃんと撮れてる。作者が美大生の割に貧乏描写が適格で驚きます。とにかく街がうまく撮れてる。全体的に新しくはないですが、とにかく見せます。

45.Dear Tokyo
 また例の「トーキョーに勝った負けた系」か?と思ったら、あれ?これ前に見た気が…見たぞ確かに。わたし一度見たものは忘れないぞ。何で?去年もあったよね。どこか直したのかな。連続出品てアリなのか、まあそれはそれで、何でしょう、都会で普通に働いて生きてるだけじゃ、そんなに悪いんですかね?

46.毒毒夫婦
 和歌山のドンファン夫婦も、このくらいバカならむしろよかったのかもねえ…。毒殺しあうって事と、年の差婚である事は、直接の因果関係はないですよね。年の差婚である事がテーマなら、もう一つ何か!

47.飛んで火に入る
 焼却炉の魔術師、博多大吉大先生を思い出します。お三人、仲良さそうですね。というのは伝わりましたが、もっと一人一人のそれぞれの個性がはっきりと出てたらもっと面白いかも。思いっきり引いた絵の中で結構すごい事が起きている描写はうまいです。

48.君がいない6月
 可もなく不可もなく。お店の女の子の芝居がマズ過ぎて、何をやってもパロディにしか見えない。

49.コメディ
 きちんとしてるしシチュエーション作りもうまいです。現実、こんなもんだと思います。万引き家族B面ていうか。

50.僕の壱番館
 お姉さん、19歳には見えんのお。…今こんな店あったら大問題だろうなあ。

51.大事なひと
 他の作品でも全体的に言える事だけど、最近の若者の、少し半笑いというか、口が常に横に引かれ気味の口跡が気になります。佐々木てめえ二度としゃべんなイライラする!みたいな。

52.夜間飛行
 言い方は悪いですが、「震災後もの」はたくさんあるけど、その中では切り口が新鮮で、ああ、ありそうな話だな、と思わせます。いいお店ですね。あと、「お母さんが可哀想」論法は逆に失礼だからやめましょうね。

53.まる。
 「再現ドラマ」になるか「映画」になるかの境目ってどこでしょうね。とてもいい雰囲気のお店なのは伝わりますが、境目を超えられていません。でもこうして映画に出来るんですから、何かを超えてはいるんでしょうね。

54.父娘
 そもそも何で、親が一人、一晩抜ける時に娘に「お父さんをお願いね」になんの?お父さんも親でしょ?娘は女だから親父の面倒見ろってか?そういうところがムリなんだってー。大人なんだからさー。最近ツイッターで盛り上がってる#私が父親を嫌いな理由 っていうハッシュタグ知ってるー?嫌われたり面倒がられたりするのにはちゃんとした理由があんの。娘が難しい年頃だからとか、娘のせいにしない。せっかく楽しい誘いがあるのに、家にお父さん一人だから行けない、ってバカじゃないの?逆だろ。この子は子どもで、お父さん親だろう。ちゃんとまともな大人を家の中でやっててくれないから相手にされなくなるんじゃん。しかもどっかり座ってビール飲んで娘の手料理待ってるって何なの?一日くらいほっといたって大人なんだから死なないでしょ。皿も洗わないし。お母さんも!「お父さんほったらかしてどこ行ってた」じゃねえよ。こういうお母さん大っ嫌い。

55.鶴を折る仕事
今話題の「被災地千羽鶴問題」ですね。今時千羽鶴の習慣自体まだあんのかなって気もしますが、アップの多用が意味ありげの割に特に効果を上げてないです。

56.親友がいない
 もう少しテンポが欲しいかな。やりとりがすべて一回ずつくらい余計です。「で結局何なの?」みたいにちょっとイライラします。会話が空々しいのは設定上の事だけど、それにしてもちょっとなあ。

57.Stage
 妙な構図…。何かこの人の脚本、言葉がいちいち実感がない。いちいちぐるぐる回る感じがどうも…。舞台の人ってすごいしゃべるよね。いらん隙間を埋めちゃうと言うか。でも、そこに人がいるのが見えてれば、わざわざ埋めなくても。逆に伝わらないよ?あ、時間と言葉の使い方が下手なんだ!わかった!「あの自主映画のラスト、辛かったー」って、あなたが言っちゃダメでしょ。

58.棘の向き
 フットボールアワー後藤に似てるね。まあいいけど。「付き合って何年」て発想が韓国の人っぽい。うわ、こういうフラッシュモブ的なの女の子引くよねーと思ったらやっぱり引いてた。やっとちゃんと恋愛を描ける人が出た気分です。うまいっす!

59.Happy Birthday Raymond
 土手シリーズも結構毎年あるなあ。ホームレスのレイモンド以上に彼女の服装が毎日同じだなあと思ったら、ジェルソミーナのシルエットっぽく仕上げている訳ね。

60.何でも屋物語 元アイドルからの依頼
 去年もそうだったけど、これがシリーズものでこういう設定で、っていうのがわかっているのって作り手側だけな訳ですよ。そこを全く考慮してくれてない。で、中味はと言うと、何でも屋である必要性がそれほどない。自分達だけがその設定にどっぷり浸かってるのが辛すぎます。自分達だけが楽しいというか。脚本そのものに大きな問題があります。音のバランスが悪くてイライラするし、アイドルの曲のタイトルが何かシュールで変、ていうのも「自分達だけ楽しい状態」に拍車をかけてます。

61.犯罪者は誰だ?
 重めのドキュメンタリーかとおもったら再現ドラマ。伝えられている内容は事実なんでしょう。


62.東京サバドール
 アイドルのパロディもので歌詞がシュール、ってありがちな設定が鼻につきます。女の子達の芝居が今一つ突き抜けてないのがスカッとしません。登場人物がマンガっぽくて、設定ありき感が先に立つと、見てる人を置いて行く辛い物になります。

63.夢駆ける坂
 小坂にきれいなところがたくさんあるのはわかりましたが、ドラマ部分が「単なるつなぎ」にしかなっていなくて、映画になっているとは言えません。それと、風景の美しさをカメラを通じて表現したいなら、せめて絵と音はもっともっと、美しくなければ。満開の花や風光明媚な山河は、ただ写しただけでも十分に美しいんでしょうけど、よりその美しさを引き出す撮り方にこだわらなければ。そこがテーマなら。

64.三つの朝
思い切った表現はむしろ女性ならではだと思います。色調が一貫しててきれいです。同じ場所で同じ朝を迎えていても、朝の数は人数分だというのはよくわかります。

65.いきうつし
 役者さんも魅力的だし演出もきっちりしています。でも映画はつくりものだし、本物ではないのだけど、よほどでないと、「コスプレごっこ」になってしまいます。ところどころそういう点での揺れが気になりました。完全に「いきうつし」とはいかなかったかな。
66.シアノス
 「ぼくのエリ」とかにテーマは近い感じかな。実は彼が犯人なのかもね。本人も自覚がないだけで。

67.雨の夜にも絶え間なく光る
 えー、「さり気ない会話を画面上で展開してみる」みたいなの、学生好きだよね~って感じだけど、よっぽどうまくやらないと、見せられてる側は、見るとこがない。ただの自転車小屋じゃん、的な。本のタイトルだけで会話するみたいなのも、ベタ過ぎてテレます。女の子二人の会話も、「女の子同士の会話って~、聞きたいでしょ~」みたいないやらしさしか出てません。ウロウロするのに合わせてカメラも動くのも。「好きって言語化できないじゃな~い」とか言われても「うるせえな知らねえよ」って感じです。これ、インスタ。映画じゃない。言っとくけど、これ見て喜ぶのおっさんだけだからな。あんた達も立派な若い女の子なら、こんなやっすいキャバみたいなノリのもん作ってんじゃない。

68.上々
 何だろう、マンガっぽい設定から入ってるっぽい。映画の是非を決めるのって、登場人物をいかに魅力的に描けてるか、芝居に説得力を持たせられてるか、監督の頭の中にあるものを役者に伝えきれてるか、もしくは役者の中にあるものを引き出せているか。それって芸術的素養とか、そういうものとはまた全然別な気がします。毒母に振り回されている娘がうまく人生を立ち回れないのはよくわかります。何かなあ。そもそも生理ですべて済ませようという発想がむしろ男性的ですわな。

69.本番中に彼女が来た件
 今風っつったらそうなんだろうけど、映画にはなってない。確かに、本番中に彼女が来ました、って動画レベルでは修羅場かも知れないけど、映画にするにはどーっちゅーこたあないっすね。結婚してる訳でもねーのにガタガタ大騒ぎしてんじゃねえよめんどくせーな。
70.夜の果て
 盗んだバイクで走る出すんかーい!これに限った事ではないんですが、全体的に、出演者のどこか半笑いの空々しい芝居が目につきがちです。プロでない人を演出するのは大変かも知れませんが、何を伝えたいのかまず演出者が伝えきれてないのかなあ、と思います。結果、こちらに伝わるべきものが大分目減りする。意欲的な作品なだけにそこが残念です。

71.ヒロイン
 主役の子、雰囲気があっていいですね。でも父親の友達役の芝居が良くないです。男の人はいつまでも昔の恋愛を引きずると言われますが、そういう事ですかね。父親だって長年生きてきたんだから、母親以外の女性と関わりが全くない方がおかしいし、ヒロインの名前を言い残したとしても、そんな大問題とは思えないのですが。あれ?真っ昼間なのに「こんばんは」って言った?今何時?

72.パンクロック・ベイビー
 夕日も街も生き生きと撮れてます。ヒロインもいい。自分が撮りたいものが明確にちゃんとわかってる感じがします。シマノくん、もっともっとイタ~イ感じに振り切れていても面白かったかも。作ったものが結果的に人の心の琴線に触れるのか、人の心を動かそうと思って何かを作るのか、どっちだろうね。音楽も素敵です。

73.坊ダンス
 目指しているものはよくわかります。楽しく見られます。何より。歌の下手さが絶妙です。最近のハゲヅラってすごいのね。よくできてる。何妙法蓮華経。

74.でんち
 合う、合わないってどうしてもありますが。んー、どうにもイラッと来る展開です。それ以上でも以下でもない。うるせえから黙ってろと言いたくなる。

75.Tokyo ink
 写真ぽいなあ。インスタっぽいというか。東京って、そこが東京だと口に出した瞬間にダサくなるのは何故だろう。PV向きかなあ。
76.花
 あの、もしこれを「嫌い」って人がいたとして、首が取れたり血が出たり、内臓が出たりするから一般的に嫌われるんだよね、って思わないで欲しいよね。そこじゃないから。そこじゃない。…でも、この人はすごい自分の事好きそう。

77.霞立つ
 女子高生の言葉とかって、「流行語」って言われるけど、実は「流行らせたい」なんて思ってなくて、自分達の中だけでノリを確かめ合っているような、仲間うちの符牒みたいな側面があるので、広まっておじさんの耳に入る頃にはもう使われなくなってる頃だし、その言葉を教えてもらったら入れるかっていうとそういうんじゃないし、知ってもらいたいとも思ってない。本人達も「全世代に対して言葉を生み出して使ってもらいたい」なんて思ってないし。
 でもミカちゃんかわいいね。終わり方が急にふつーになって、急にトーンの違う歌。もしかして、歌の方が先だった?

78.続・白岩さん~俺は絶対に働かない~
 ちゃんとこうして説明してくれると、「何かの続編」でも見やすいですね。
 ローカル色あふれる演出の中で、お父さんのはっきりした標準語に激しい違和感が。
 今のご時世、無職のおっさんが小学生に恋をする設定はマズいです。実際、男の人の一番良くないところは、自分の年代がどうでも相手の年代がどうでも、二,三、言葉を交わしただけでそれで「交際」が成り立ってると信じてしまえるところです。そしたら何でも嫌がらないどころかアリなんだと思ってしまう。事件化したケースでも、彼らにしてみれば、それを暴力とか脅しとは全く思っていない。それがフェアじゃないのだという概念がない。あまつさえそれを「純情」くらいに思ってる。コンプライアンス的に内容に踏み込むつもりはないですが、「なかなか友達が出来ない子ども」に大人として接してやれるとしたら、自分が遊んであげるのではなくて、友達を作れるようにはからってあげる事でしょうに。だってこの子は、女の子と遊びたいんだもの。

79.おんがえし
 動物は助けてみるもんだ、という話。クリーニング屋さんの店頭でしか話が展開しないのに、単調にならない工夫が生きてます。登場人物がみんないいですね。特にハト…。

80.男の人、女の人、そうじゃない人
 異性を好きになるか同性を好きになるかという事と、その人が男性であるか女性であるかとはまた話が別なんで、「男、女、そうじゃない人」ではないでしょう。ゲイのお友達も、おネエっぽいしゃべり方はわかりやすくする為に仕方ないとしても、その場に居合わせた男性にすぐ言い寄るかどうかはまた別問題。男性だからってみんながみんなお店に居合わせた他人の女の子に手当たり次第声掛けたりしないのに、ゲイ描写だとしばしばそういう場面があります。「君の名前で僕を呼んで」を見て出直してください。

ながいさん上位10作品

1. なみぎわ
2. 一杯のモヒンガー
3. カップケーキ
4. 棘の向き
5. 老ナルキソス
6. 漂流ポスト
7. パンクロック・ベイビー
8. シンデレラのさえずりを聞け
9. コメディ
10.AYESHA

~総評~
 昨年より更に、「動画っぽい、スマホっぽい」映像が増えた気が。いい悪いというより流行なんで、それっぽいものすべて排除というつもりはないですが、それはそれなりに作品の中で効果を上げているのでなければ、それが「映画」であって「動画」ではないという差異にはならないのかな、と思います。
 不思議と示し合わせたように流行が反映されるのは去年もそうでしたが、「本編始まる→しばらくして、筆書き手描き調のでっかいタイトルどかーん!」が結構多くて、「え?流行ってんの?」と。「流行ってんの現象」はタイトルロゴにとどまらず、ここに来て何故だか英会話ブーム。何でかねえ。
 一昔前だったら映画のテーマになり得た事が、ここ数年で急激に「もはやテーマにはなり得ない」動きが盛んです。いつまでも「結婚」で一本撮れると思わない方がいいかも知れないし、ゲイかも、違うかも、では映画にならない時代になりました。「家族」も一見身近なテーマですが、最も「自分の古さ」や時には傲慢さをも露呈してしまう事になりかねません。作り手は、自分を常に見つめ続けて、更にそれがスクリーンに映った時に今の観客にどう受けとめられるかも考えていかなければならない。昔からそうだったのかも知れないけど、何だか大変な時代になったものです。それでも勇気を持って作り続けているだけでも敬服に値します。
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新潟県長岡市にて《ながおか映画祭》と《長岡インディーズムービーコンペティション》を主催しているコミュニティシネマ長岡のスタッフブログです。

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